カテゴリー別アーカイブ: 小磯良平

生誕110年 小磯良平の世界・巡回展が終了しました

本年は、小磯良平の生誕110年の記念の年にあたります。これを祝して、昨年から、当館を第一会場として、「小磯良平の世界展」を、ふくやま美術館、郡山市立美術館で開催させていただきました。この展覧会も去る6月16日で終了し、長期間にわたって拝借させていただいておりました作品を、各ご所蔵先にご返却しています。皆様のご協力により、多くの方々に小磯良平の魅力をお伝えできたのではないかと思います。本当にありがとうございました。

6月16日、最終日の郡山市立美術館に、プライベートでお伺いしました。

郡山市立美術館は、緑に囲まれた素晴らしい環境の中にあります。

郡山市立美術館-この木々の奥にあります

《斉唱》のポスターが並ぶ掲示板

展示室の中は撮影できませんでしたが、来館者の方たちは、「この光と影のコントラストが上手なのよね」などと語りながらご覧になってらっしゃいました。地域性なのでしょうか。展示室の中には、関西の小磯記念美術館とは異なる雰囲気が醸し出されていたような気がします。。。 

神戸会場では展示がかなわなかった、修復後の《彼の休息》は、色彩が鮮やかになり、いきいきとした竹中郁の姿があらわれていて、とても新鮮な印象が感じられ、青年・小磯と竹中の友情をあらためて感じました。

せっかくなので、美しい自然も満喫してきました。

磐梯山の頂上を去り、振り返ると、虹が!

2011年に当館で展覧会を開催させていただいた、水彩画家の大下藤次郎は、磐梯山を訪れ、火口付近、檜原湖、猪苗代の美しい作品を描きました。この時、郡山市立美術館の所蔵作品も拝借させていただきました。

そして、その時の展覧会のワークショップでお世話になったのが、現在展覧会開催中の堀江優先生でした。他者から見れば、全く関係のないことがらも、担当者の中では繋がっていて、じんわりと感動した旅でした。

「君たちは僕のライバルだ!」と子供たちに語る堀江先生

【D】

 

 

 

 

 

小磯良平作品選Ⅰ オープン

本日4月4日(木)より 平成25年度 小磯記念美術館の展覧会がスタートしました。

小磯良平作品より 油彩33点 

新聞連載挿絵原画 「人間の壁」〔石川達三著〕(十一) 50点 

当館コレクション企画展示 ~画家たちの1950年代~ 

 古家新 田中忠雄 田村孝之助 西村元三朗  中島節子ら12名の画家の作品  油彩26点

 4月29日(月・祝)までの短い期間です。お見逃しなく、ご来館ください。

公園の桜を愛で、美術館では少し過去にタイムスリップ=50年代のノスタルジーを感じながら、静かな時をお過ごしください。

スタンプラリーも新しくなりました。  (k)

 

 

 

耳をすませば…

開館20周年記念のロビーコンサートの第2弾も、やはり小磯さんが絵画の中に描いた楽器、リュートを演奏していただきました。

とにかく、小磯さんはこのリュートという楽器が大好きだったようです。

初めてリュートが登場するのは、1954年の《音楽》(当館所蔵)という作品のようです。ちょうど、小磯さんが東京藝術大学の教授に昇任した翌年の

小磯良平《音楽》 神戸市立小磯記念美術館蔵

小磯良平《マヌキャン》神戸市立小磯記念美術館蔵

ことですから、音楽学部を通じてリュートを購入

したと考えられます。こちらのリュートもドイツ製

です。小磯記念美術館には2本のリュートがあり

ます。《マヌキャン》に描かれているのがその2本

です。

ところで、かねてから、気になっているのですが、

当館には、リュートのケースがありません。

《マヌキャン》に描かれているリュートのケースは

いったい今どこにあるのでしょうか。。。

 


さて、リュートという楽器は、宮廷で、お姫様がお眠りになられる時などに奏でられたそうです。とても穏やかで優しい音色の楽器です。演奏者によって、音色は変わるそうですが、この日の高本一郎氏の演奏は、とても癒やされる、柔らかい音色でした。

コンサートを聴かれている皆さんの、なんと静かなこと。耳を傾けるとは、こういうことなのか。とあらためて関心しました。

大きな音だから、変わった音だから、人の心に届くものではありませんね。久しぶりに深々と音を楽しんだひとときでした。【D】

 

きらびやかな楽器と典雅な音楽

去る10月27日の土曜日、開館20周年コンサート・第1弾として、チェンバロのコンサートを開催しました。

小磯さんは、絵画の中に度々チェンバロを描き込むことがありました。東京藝大の教授時代に楽器を購入し、絵画のモチーフにしたのです。

ちなみに、小磯さんが持っていたチェンバロ(現在、美術館の収蔵庫に保管)は、ドイツ製のすっきりとしたフォルムのシンプルなものです。

小磯良平旧蔵のチェンバロ

そして、今回のコンサートで演奏者の井岡みほ氏がお持ちくださったのは、華麗な装飾を伴った、フランス製のものです。

 

 

きらきらと紡がれる音は、私達をひととき、

宮廷に集う人びとのように典雅な気分にさせてくれました。

演奏の合間には、楽器についてのお話もあり、チェンバロについての知識を得ることもできました。ありがとうございました。【D】

 

 

 

開館20周年記念特別展の展示風景

すでに、始まっていますが、開館20周年記念特別展の主要作品、小磯良平生涯の大作、《働く人びと》の展示風景です。

50歳の年の制作で、深く構図が練られた優れた作品です。見れば見るほどいろいろな面白さが見つかります。

大作では、東京赤坂の迎賓館にある《絵画》と《音楽》に注目が集まりがち(展示場所の権威も影響しているのでは…)ですが、個人的には、

「働く人」を主題とした建設的な画題と、素朴で永遠性を感じさせる、おおらかで伸びやかな理想的人体が描かれた《働く人びと》を美しいと思ってしまいます。【D】

 

開館20周年を記念して! ロビーコンサート盛りだくさん いかがですか?

平成4年11月3日に開館した当館は、今年でようやく20周年を迎えることができました。これも、小磯作品のみならず、美術を愛する皆様の支えがなくては難しいことであったと思われます。感謝いたします。

海外の著名な作品をお借りするような、新聞社企画の展覧会を購入する予算がない小磯記念美術館ですが、当館の展覧会に来られた方が、「知らない画家の作品だったが良かった」「知らない画家のことがわかって勉強になった」などとアンケートに書いてくださっているのを見つけると、小躍りするほど嬉しい気持ちになります。

話が横道に少しそれましたが…。この開館20周年を祝して、音楽がお好きで、少しピアノを弾いたり、絵画の中に楽器を描き込んだりした小磯良平さんにちなみ、ロビーコンサートを、10月から毎月1回、特別に企画しました。

リュートやチェンバロは、小磯さんが楽器を買い求め、絵画のモチーフにしています。また、子供の頃から日曜学校に通って讃美歌を歌っていた小磯さんは、歌もお好きであったと思われます。声楽のコンサートもあります。どうぞお楽しみに!【D】

 

 

 

 

 

みんなで作りたい!!

 

展覧会の準備は、各美術館によって異なりますが、何年も前から調査し、準備をしているところがほとんどです。。。。当館はそうしたくても出来ない複雑な事情がありますが・・・。

 

それはさておき!

来年(平成25年)の「小磯良平作品選」の展示内容を、皆さまもご一緒に考えていただけませんか?

いつもは学芸員の視点で展覧会を構成していますが、ご来館いただいた方の投票・ご意見により展覧会を計画しようと考えています。どのような展示内容になるのでしょうか?今から興味津々です。

 

投票用紙と、投票していただく作品を掲載したパネルを準備しました。

投票用紙に、ご連絡先を記入いただくと、平成25年に開催する「皆で作った展覧会」に、もれなくご招待いたします!

ふるってご参加ください!  【D 】

今年は開館20周年です

新年度を迎えました。

4月はわくわくそわそわ、あるいはドキドキする月です。

今年は、当館が開館してから20年目という記念の年にあたります。

20年という月日は、過ぎてしまえばあっという間であったように思われますが、

その間には、阪神淡路大震災という大変な天災があり、神戸の人々の生活と心に

大きな影を投げかけました。美術館もこの時を境に厳しい運営状況に追い込まれ、現在も苦しみ続けています。

 

それでも、「小磯良平の芸術」は、変わることなく高く評価され続けています。

今日では、小学校の先生方の活発で熱心な団体観賞活動により、子供たちの間でも「小磯さん」の魅力がどんどん広まっています。

「小磯さん」や神戸の画家の作品を通じて、それぞれの感じ方で「面白かったー!」と言って帰って行く小学生を見ると、なんともいえない勇気が湧いてきます。

 

さて、20年間存続してきた小磯記念美術館ですが、今年の秋に、小磯良平の大回顧展を開催する準備をしています。日本各地にある小磯作品をお借りして、まとまったかたちで当館でご紹介するのは、10年ぶりのこととなります。どうぞお楽しみに。

また、開館記念の日である11月3日は入館料を無料にいたします。

そのほか、特別展講演会はもちろん、音楽が好きだった小磯さんが、絵のモチーフにした楽器と関連づけたロビーコンサートなどを開催する予定です。                           【D】

 

 

コレクションから~《淡路イザナギ神宮》―子供と大人の鑑賞方法の違い?

小学校からの団体鑑賞のご案内をしていると、何かと気づかされることがあります。今日は、コレクションの中から、小磯良平の油彩作品、《淡路イザナギ神宮》に関することがらをご紹介してみましょう。この作品は、子供たちが鑑賞プログラムの中で“描いてみたい”と思うお気に入りの絵として選ばれてきた根強い人気を持つ作品のひとつです。それにしても、なぜ、神社という古めかしい建物を描いたこの作品が大人気なのでしょう。

著作権の問題から作品の図版をここに掲載しませんが、「小磯良平作品選」に展示されていることが多いので、是非作品をご覧ください。代わりに、2011年の夏に撮影した現地の写真を掲載します。当然のことながら、写真よりも小磯さんが描いた絵画作品の方が、すっきりと画面が整理された美しい表現です。

あるとき、作品《淡路イザナギ神宮》について子供達にインタビューしてみると、

「橋の所の水に何か映っているのが本物みたいでいい」、「建物がいい」、あるいは「木とか空がいい」という意見を答えてくれました。描く際には、自分の気にいった箇所だけをクローズアップして画紙に写す子供達もいます。
大人達は、この作品が“淡路伊弉諾神宮”を描いたものであると認識して、頭の中でその歴史や謂われ、かつて現地に行った時のことなどを想い出して「了解」してしまうのでしょうか。この作品に特別に関心を示す人は少なく、じっくりと見ている大人をあまり見かけたことがありません。しかし、どうやら子供達はそうではないようです。淡路伊弉諾神宮を知らないので、「どこかの神社だね。」と思う程度であり、色彩や形、対象を描き出している技術の高さ、その結果表現された本物らしさなど、絵画を成立させている要素に関心を示し、純粋に楽しんでいるように見えます。

《淡路イザナギ神宮》を思い思いのスタイルで描いている子供達を見ていると、後年、様々な知識が増えた彼らが、素晴らしい“鑑賞者”になるのでは!?とうらやましく思います。大人の皆さんも、時には歴史的背景や意味を全く考えずに作品と向き合ってみられてはいかがでしょうか?新たな感覚が生まれ、鑑賞の世界が広がってくるかもしれません。 【D】